Skating Skill

スピードスケート滑走中の三次元動作解析の目的

スピードスケート滑走中の三次元動作解析の目的は選手の滑走フォームの改善です。

スピードスケートでの滑走フォームの影響は大きく、パフォーマンス向上のためには必須のスキルです。

現状の滑走フォームを正確に把握し、改善点を確認し練習につなげていきます。練習後に再度測定を行うことで、練習の方向性や達成度を確認することもできます。

三次元動作解析については以下の記事をご覧ください!

スピードスケート滑走中の三次元動作解析の使用機器

スピードスケート滑走中の三次元動作解析にはIMU(Inertial Measurement Unit:慣性計測ユニット)を使用しています。氷上滑走では測定環境の制限が少なく、即時にフィードバックできる動作解析装置が望ましいためIMUを使用しています。

準備から測定までは10~15分程度で終わります。特にスピードスケートでは寒い環境下での測定になるため、選手の体を冷やさないよう迅速な準備を心がけています。写真のようにセンサーはワイヤレスでかつワンピ内にあり、対象者への干渉もかなり軽減されています。

測定後は約5分程度でデータの算出ができます。そのため、滑走直後にフィードバックを行うことが可能です。滑走中の記憶が新しいときに正確かつ詳細なデータを確認できるため選手も理解が早いです。

三次元動作解析装置の概要は以下の記事をご覧ください!

スピードスケート滑走中の三次元動作解析の測定環境

スピードスケート滑走中の三次元動作解析は実際の400mリンクで測定することができます。

動作解析を特別な環境下で行うと本来の動きと変わってしまうリスクがあります。そのため、滑走中の測定ではできるかぎり、静止スタートからダブルトラックでの全力滑走で測定し、実際のレースに限りなく近い条件を設定しています。もちろん、普段の練習メニューやフォーム滑走などでも測定可能であり柔軟に対応することができます。

スピードスケート滑走中の三次元動作解析のフィードバック

三次元動作解析で測定したデータを選手・指導者へフィードバックを行います。IMUによる三次元動作解析ではデータを即時に表示できるため滑走終了後5~10分程度フィードバックが可能です。

フィードバックの観点はあらかじめ指導者と相談し着目点を決めておきます。そのうえで、選手自身が考えている課題や悩みについて聴取していきます。これらのポイントについて多角的にデータを確認し現状についてフィードバックしてきます。

フィードバック後は課題を意識して練習し、再度測定を行い、動作の変化を確認します。必要に応じてこのサイクルを複数回測定を繰り返すこともあります。