スピードスケートでの動作解析データの追加解析
氷上滑走や陸上での模擬動作で取得したIMUのデータは関節角度や加速度などは即時にソフトウェア上で算出されて表示されています。そのため、着目点を決めておけばかなりのフィードバックができます。
しかし、片脚支持・両脚支持時間や関節角速度、タイミングごとの変化量などはソフトウェア上で算出できません。そのため、追加でデータ解析を行っています。
![](https://tomoki-pt-blog.com/wp-content/uploads/2023/11/全体 ストレート-1024x576.png)
三次元動作解析については以下の記事をご覧ください!
![](https://tomoki-pt-blog.com/wp-content/uploads/2023/10/【三次元動作解析の基本】概要と測定機器-300x158.jpg)
MATLABを使用したデータ解析
スピードスケートでIMUから取得したデータをMATLABで作成したプログラムで解析しています。解析の流れは以下の通りです。
実際に滑走している区間のデータを抜粋します。
![](https://tomoki-pt-blog.com/wp-content/uploads/2023/11/MATLAB_滑走区間-1024x594.jpg)
ストレートとコーナーをそれぞれ区別します。
![](https://tomoki-pt-blog.com/wp-content/uploads/2023/11/untitled-1024x512.jpg)
ストレートとコーナー、左右それぞれ1ストロークを区別します。
![](https://tomoki-pt-blog.com/wp-content/uploads/2023/11/MATLAB_1stroke-1024x594.jpg)
1ストロークごとに、着氷・切り返し・プッシュオン・プッシュオフ・離氷のイベントをそれぞれ特定します。
![](https://tomoki-pt-blog.com/wp-content/uploads/2023/11/MATLAB_イベント-1024x594.jpg)
イベントまで特定したら、各イベントでの関節角度や加速度を求めます。
各イベント間の関節角度の変化量や関節角速度などを算出し滑走スキルの詳細をみていきます。
また、運動学的指標だけではなく、片脚支持期や両脚支持期などの時間的指標についても検討します。
三次元動作解析データのフィードバック
動作解析の結果は選手や指導者へフィードバックして初めて役に立ちます。三次元動作解析において最も重要な工程です。
基本的にはフィードバックは測定後できるだけ早く行った方が効果的です。滑走した記憶が新しいときに結果がフィードバックされることで運動イメージとのギャップも理解しやすくなります。
フィードバックの着目点は指導者や選手自身の課題に合わせて行っていきます。選手の課題だけでは最重要項目から外れていることも多くあります。一方で指導者の観点だけでのフィードバックは選手が聞く耳を持ってくれないこともあります。
フィードバック後には再度測定し課題の修正が正しく行えているかを確認し今後の練習に生かしていきます。
![](https://tomoki-pt-blog.com/wp-content/uploads/2023/11/全体 ストレート-1024x576.png)