【スピードスケート動作解析】スピードスケート選手に対する、氷上滑走での三次元動作解析を行ってきました!(2024年夏季合宿)

私たちが毎年行わせていただいている、スピードスケート選手に対する氷上滑走中の三次元動作解析の測定を行いました!測定はここ数年は青森県八戸市のYSアリーナ八戸で行っています。群馬県内の高校生~大学生、社会人を対象としています。測定に関する紹介をしていきたいと思います。

目次

スピードスケート選手に対する三次元動作解析について

三次元動作解析とは簡単に言えば、全身の関節角度を三次元で測定する方法です。よく皆さんが行っているビデオやスマホでの撮影は2次元になります。そのため、体のひねりの動きがわかりにくいことや、見る角度によって変わってしまいます。それに対し、三次元動作解析は専用の装置が必要にはなりますが、全身の関節角度を正確にかつ、あらゆる方向の動きを測定することできます。

三次元動作解析が非常に良いデータが取れる反面、データの量が多く、実際に必要としているデータをピックアップする必要があります。私たちは約5年間の測定をもって徐々にスピードスケートでの重要なポイントについての見解を得られてきています。

三次元動作解析の概要については以下の記事をご覧ください!

使用している三次元動作解析装置について

私たちが氷上滑走の測定で使用している三次元動作解析装置はNoraxon社のmyoMOTION(Ultium motion)になります。モーションセンサーを選手に貼付し測定を行います。レシーバーはありますが、測定中は受信範囲外でも測定が可能であり、400mリンク全体で測定が可能です!

この、myoMOTIONはIMU(Inertial Measurement Unit:慣性計測装置)と呼ばれる種類です。

センサーには三軸の角加速度、加速度のセンサー、地磁気計が内蔵されており、これらのデータから関節角度を算出しています。

myoMOTIONを使用した測定の概要については以下の記事をご覧ください!

また、データの測定手順やデータの見方について興味のある方は以下の記事もぜひご覧ください!

このmyoMOTIONを使用して今回も測定を実施してきました。

測定成果

測定人数

今回の測定では、高校生19名、大学生28名、社会人2名の測定を行いました。

測定スケジュール

測定は、1クール50分で5~7名でした。高校生・社会人の合わせて21名は2日間、大学生28名は3日間で行われました。1人あたりの測定時間は準備を含めて10分程度です。測定と準備を同時に進めることで、測定人数を増やすことができています。

測定距離

測定距離は短距離が500m、中長距離が1500mです。

それぞれ、アウトスタートでダブルトラックで実施しています。長距離選手は本来3000mや5000mで測定をしたいところですが、測定時間が長くなるとデータの回収が遅くなり、急激に測定効率が低下してしまいます。また、動作解析からスキルの課題を抽出する際には1500mでも十分検討が来ます。さらに、測定時間が伸びることでセンサーのデータがドリフト(データの基準がずれること)が生じる可能性が高くなってしまいます。

測定スタッフ

また、測定スタッフは2~4名程度で実施しています。センサーの貼付、PC操作、ラップタイムの計測、スタートの合図などの役割を考えると最低2名で実施することが望ましいです。

ですが、測定効率は下がりますが1名での測定も十分可能ですので臨機応変に普段は対応しています。

今後のスケジュール

毎年恒例の夏季合宿での測定が終了し、スピードスケートのメインシーズンに入ってきます。

また、シーズン中にも適宜測定を行い少しでもちからになれたらと思います。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

マニアックな分野でマニアックなことをしています。13年間スピードスケートを現役選手としてしていました。その後はスピードスケートの研究を続けています。活動の発信や、マイナースポーツでマニアックなことをしている人と関わりが広がればうれしいです。

コメント

コメントする

目次