私たちが毎年行わせていただいている、スピードスケート選手に対する氷上滑走中の三次元動作解析の測定を行いました!測定はここ数年は青森県八戸市のYSアリーナ八戸で行っています。群馬県内の高校生~大学生、社会人を対象としています。測定に関する紹介をしていきたいと思います。
スピードスケート選手に対する三次元動作解析について
三次元動作解析とは簡単に言えば、全身の関節角度を三次元で測定する方法です。よく皆さんが行っているビデオやスマホでの撮影は2次元になります。そのため、体のひねりの動きがわかりにくいことや、見る角度によって変わってしまいます。それに対し、三次元動作解析は専用の装置が必要にはなりますが、全身の関節角度を正確にかつ、あらゆる方向の動きを測定することできます。
三次元動作解析が非常に良いデータが取れる反面、データの量が多く、実際に必要としているデータをピックアップする必要があります。私たちは約5年間の測定をもって徐々にスピードスケートでの重要なポイントについての見解を得られてきています。
三次元動作解析の概要については以下の記事をご覧ください!
使用している三次元動作解析装置について
私たちが氷上滑走の測定で使用している三次元動作解析装置はNoraxon社のmyoMOTION(Ultium motion)になります。モーションセンサーを選手に貼付し測定を行います。レシーバーはありますが、測定中は受信範囲外でも測定が可能であり、400mリンク全体で測定が可能です!
この、myoMOTIONはIMU(Inertial Measurement Unit:慣性計測装置)と呼ばれる種類です。
センサーには三軸の角加速度、加速度のセンサー、地磁気計が内蔵されており、これらのデータから関節角度を算出しています。
myoMOTIONを使用した測定の概要については以下の記事をご覧ください!
また、データの測定手順やデータの見方について興味のある方は以下の記事もぜひご覧ください!
このmyoMOTIONを使用して今回も測定を実施してきました。
測定成果
測定人数
今回の測定では、高校生19名、大学生28名、社会人2名の測定を行いました。
測定スケジュール
測定は、1クール50分で5~7名でした。高校生・社会人の合わせて21名は2日間、大学生28名は3日間で行われました。1人あたりの測定時間は準備を含めて10分程度です。測定と準備を同時に進めることで、測定人数を増やすことができています。
測定距離
測定距離は短距離が500m、中長距離が1500mです。
それぞれ、アウトスタートでダブルトラックで実施しています。長距離選手は本来3000mや5000mで測定をしたいところですが、測定時間が長くなるとデータの回収が遅くなり、急激に測定効率が低下してしまいます。また、動作解析からスキルの課題を抽出する際には1500mでも十分検討が来ます。さらに、測定時間が伸びることでセンサーのデータがドリフト(データの基準がずれること)が生じる可能性が高くなってしまいます。
測定スタッフ
また、測定スタッフは2~4名程度で実施しています。センサーの貼付、PC操作、ラップタイムの計測、スタートの合図などの役割を考えると最低2名で実施することが望ましいです。
ですが、測定効率は下がりますが1名での測定も十分可能ですので臨機応変に普段は対応しています。
今後のスケジュール
毎年恒例の夏季合宿での測定が終了し、スピードスケートのメインシーズンに入ってきます。
また、シーズン中にも適宜測定を行い少しでもちからになれたらと思います。
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