【myoMOTION(Ultium Motion)】実際の測定手順

目次

myoMOTIONの測定手順

事前準備は以下の記事をご覧ください。

STEP
センサーの準備、貼付

事前に準備しておいたセンサーを専用のバンドや両面テープで対象者へ貼付していきます。スピードスケートの場合にはワンピの中に貼付するのでバンドは必要なく皮膚用の両面テープを使用し貼付しています。

STEP
キャリブレーション

センサーの初期設定としてキャリブレーションを測定ごとに行います。キャリブレーション姿勢は規定されている3種類から選択し、静止した状態で30秒程度保持します。

STEP
測定

キャリブレーション終了後、できるだけ速やかに測定を開始することが望ましいです。測定開始時と終了時にはレシーバーの受信範囲内にいる必要があります。測定内容に合わせて、測定者は移動するのも有用です。

STEP
データリカバリー

測定を終了すると、レシーバーが受診できていないデータを回収することになります。ソフトウェアが自動でリカバリーを開始しますが受診できていないデータが多いほど時間を要してしまいます。そのため、測定中もレシーバーの受信範囲に対象者がいることが望ましいです。

myoMOTIONセンサーの準備と貼付

myoMOTIONセンサーを対象者へ貼付していきます。

貼付の方法としては、

  • 専用のバンド(マジックテープ)
  • 皮膚用の両面テープ
  • 必要に応じてホワイトテープ(テーピング)などで補強

などがあります。貼付の方法はしっかりと固定され、運動中にずれなければなんでも大丈夫です。

センサーは貼付位置が決まっています。

センサー名貼付部位
Head(頭)Middle of the back of the head.
後頭部の中央。
Upper Thoracic(頸椎)Below C7 in line with the spinal column, but high
enough to not be affected by upper trapezius
muscle movement.
脊柱上のC7よりやや下。僧帽筋等の影響を受けないようにする。
Lower Thoracic(腰椎)In line with the spinal column at L1/T12. Strap belt
will be positioned on lower ribs on the front side of
the body.
脊柱上のT12とL1付近。ベルトを使用する場合には、肋骨下縁に沿うように。
Pelvis(骨盤)Body area of sacrum.
仙骨上。Lower Thoracicと近くなりすぎないように。
Upper Arm(上腕)Midway between the shoulder and elbow joints,
lateral to the bone axis.
上腕の外側、肩関節と肘関節の中間。
Forearm(前腕)Posterior and distal, where there is a low amount of
muscle tissue.
前腕外側の中間よりやや遠位で筋肉組織の少ない箇所。
Hand(手部)Dorsal.
手の甲の中央。
Thigh(大腿)Frontal and distal half, where there is a lower
amount of muscle displacement during motion.
大腿前面で中間よりやや遠位。筋肉組織の少ない箇所。
Shank(下腿)Front and slightly medial to be placed along the
tibia.
下腿前面のやや内側で脛骨に沿うように。
Foot(足部)Upper foot, slightly below the ankle.
足の甲のやや近位。

キャリブレーションをすることである程度はずれても問題なく測定できます。そこまで慎重になりすぎなくても大丈夫です。

キャリブレーション

キャリブレーションはセンサーの初期設定のような準備です。測定ごとに行います。キャリブレーションの姿勢をとり約30秒間(自動で計測されます)静止してもらいます。

センサーを貼付し、測定準備ができたらキャリブレーションを行います。キャリブレーション後はすぐに測定が開始できるようにしておくことが望ましいです。

キャリブレーションには3種類の姿勢が用意されています。どの姿勢でキャリブレーションを行うかは測定環境や対象者の状態に合わせて選択することが良いでしょう。

  • Standing straight(直立立位):直立立位姿勢。全身の関節は0°のポジションをとる。特に股関節内外転・内外旋には注意し、必要に応じて対象者へ指示を行う。
  • Standing, arms flexed(直立立位、肘関節90°屈曲位):Standing straightの姿勢から肘関節のみ90°屈曲する。前腕は内外反中間位。
  • Sitting(椅座位):椅子に座った状態で股関節・膝関節90°で足関節0°とする。肘関節は90°屈曲位。

キャリブレーションの姿勢がずれると測定誤差が生じ後々の修正も困難であるため最大限の注意を払って行います。

キャリブレーション画面では各センサーの地磁気センサーのデータが表示されています。センサーの名前がになっているところは地磁気が乱れている箇所になります。その際には場所を移動したり、非伝導体(木、ゴムなど)の上に立つなどの工夫が必要になります。すべてがかならずしも白くならないと測定できないわけではありませんが可能な限り改善したほうが良いでしょう。

地磁気が乱れやすい場所は以下のような場所です。

  • 壁や機械の近く
  • 金属の近く
  • 人が多いところ

これらの場所であまりに赤くなっているようであれば測定場所を検討したほうが良いでしょう。

測定

キャリブレーションが終了したら測定開始できます。

測定開始時にはレシーバーの受信範囲内にいる必要があります。そのため測定開始位置が遠い場合にはあらかじめ「計測開始」をしておきましょう。その後はできる限り実測を早めに行い無駄なデータを減らすことで次のデータリカバリーの時間を短縮することができます。

また、測定時間は約10分以内くらいが望ましいかと思います。これは、測定時間が長くなることでデータの基線がずれていくドリフトが生じる可能性があるからです。実際には予備測定を行いあらかじめ確認しておくことが良いでしょう。

データリカバリー

測定終了時には再度レシーバーの受信範囲にいる必要があります。そのため、測定終了後もできるだけ速やかに移動し測定終了することが望ましいです。

測定終了すると、データ回収中のウィンドウが表示されます。レシーバーの受信範囲外でのデータに関してセンサーからデータを取得しています。受信範囲外でのデータが多いほど長くなってしまします。

リカバリーが終了したらデータの名前を入力し保存します。

保存後、データを参照することができます。

測定までできたらあとは測定データを確認し必要に応じてその場でフィードバックを行います。

データの見方については次の記事に進んでください。

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この記事を書いた人

マニアックな分野でマニアックなことをしています。13年間スピードスケートを現役選手としてしていました。その後はスピードスケートの研究を続けています。活動の発信や、マイナースポーツでマニアックなことをしている人と関わりが広がればうれしいです。

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