私自身がはじめてFirst Author(筆頭著者)となる論文が公開されました。
論文は、2年前に公開されたスピードスケートの動作の特定方法の妥当性に引き続き、信頼性の検証をしたものとなります。
オープンアクセスなのでぜひご覧ください!
下記にタイトルで検索していただけると、PDFが出てきますので見れるかと思います。
投稿論文の概要
タイトル
「Reliability of motion phase identification for long-track speed skating using inertial measurement units」
(慣性計測装置を使用したロングトラックスピードスケートの動作フェーズ識別における信頼性)
内容
概要
2年前の論文で発表した、スピードスケート氷上滑走中の各タイミングを特定する方法の妥当性に引き続き、今回の論文ではその信頼性を検証しました。
今回検討した、信頼性とは簡単に言えばそのデータがどれだけ正確な値になっているかを示します。
ちなみに妥当性は、そのデータが示しているものが実際のものを正しく表現できているかを示します。スピードスケート動作特定の妥当性に関する論文については、ぜひ下記の記事をご覧ください!
方法
今回の研究では、IMU(Inertial Measurement Unit:慣性計測装置)と呼ばれるセンサーを用いて、スピードスケートの氷上滑走中の動作を測定しました。
今回使用したIMUはNORAXON社のmyoMOTIONを使用しています。
IMUを使用し、氷上滑走中の関節角度、加速度を測定しました。測定されたデータをもとに、着氷や離氷、ブレードの切り返しなどのタイミングを算出する手法の信頼性を検討しました。
各タイミングの算出方法は以下の記事をご覧ください!
信頼性を検証するために、上記の手法で同じ解析者が2回データ解析を行い、検者内信頼性を検証しました。また、2名の被験者がそれぞれデータ解析を行い、検者間信頼性を検証しました。
また、それぞれのデータの差がどの程度あるのかを示すために、SEM(Standard Error of Measurement:標準誤差)やMDC(Minimal Detectable Change:最小可検変化量)を算出しました。
結果
細かい結果は論文本文をご覧いただきたいと思います。
大まかな結果としては、検者内信頼性、検者間信頼性ともに高い信頼性(ICC:0.8以上)が示されました!
また、誤差の程度としても小さく、十分に活用できる解析手法であることがわかりました。
考察
今回の研究では、スピードスケート氷上滑走中のイベントをIMUを使用し行う手法の信頼性を検証しました。その結果、高い信頼性が示されました。
以前の妥当性の研究結果と合わせて、IMUが氷上滑走中のイベント付けとして有用であることを示すことができました。今後は、IMUを使用した三次元動作解析から、パフォーマンスとの関連を明らかにし競技力向上などより選手に還元できる内容の研究を進めていくことができます。
投稿雑誌
Peer jはジャーナルとしては珍しく、ライセンスは買い切りでグレードによりますが、一番安価なライセンスでも年に1本の論文を無料で投稿できます。
まとめ
今回、私自身初となるFirst Authorとして論文を投稿することができました。
ご協力頂きました皆様大変ありがとうございました。
今後もスピードスケート研究を進めていきたいと思います。
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